相続相談を契約につなげる初回面談の進め方

「相談は来るのに、なかなか受任につながらない」。集客が動き始めた先生が、次にぶつかるのがこの壁です。
相続の初回面談は、知識を説明する場ではありません。 相手の不安を受け止め、何に困っているのかを一緒に整理し、「この先生になら任せたい」と感じてもらう場です。私も昔は、聞かれてもいない税の話を一方的にして、相手を置いてきぼりにしていました。この記事では、相続相談を契約につなげる初回面談の進め方を整理します。

結論:初回面談は「聞く→整理する→次の一歩を示す」順で進める

受任につながる初回面談は、次の流れで進みます。

1. 聞く:相手の状況と「いちばんの不安」を引き出す
2. 整理する:複雑に見える状況を、論点に分けて見える化する
3. 次の一歩を示す:何を・どの順で進めるか、具体的な道筋を提示する
説明より傾聴が先。相手の不安が言語化され、進む道筋が見えた瞬間に、信頼は生まれます。

なぜ初回面談で受任を逃すのか
・説明から入る:相手の不安を聞く前に税や手続きの話を始め、距離ができる
・不安を整理しない:相手は「何が分からないかも分からない」状態。整理しないと前に進めない
・次の一歩が曖昧:「また連絡します」で終わり、相手が動けない
・価格の話だけ先行する:価値が伝わる前に金額を出し、高く感じさせてしまう

具体的な進め方

① まず聞く
家族構成・財産の概況・これまでの経緯を聞きながら、「いちばん心配なことは何か」を引き出します。争いの芽・期限・手続きの不安など、相手の本音はここに出ます。

② 状況を整理して見せる
聞いた内容を、論点(誰が・何を・いつまでに)に分けて整理し、相手に見える形で返します。「自分の状況がこう整理されるのか」と感じてもらえると、信頼が一気に上がります。

③ 次の一歩を具体的に示す
何を・どの順番で進めるかを示します。期限がある場合は、逆算した道筋を提示します。ここで初めて、費用と進め方を一緒に説明します。価値が伝わった後なら、価格は納得して受け止められます。
(→ 子記事「相続税申告を高価格で受任するための説明方法」へ)

よくある失敗例

・税の説明会になる:知識を披露して相手を置いていく
・不安の整理を飛ばす:相手が前に進めず、検討止まりになる
・次の一歩がない:「考えておきます」で終わる
・価格を先に出す:価値が伝わる前で、高く感じさせる

事務所で実践するためのチェックリスト

□ 面談の前半は「聞く」に充てている
□ 「いちばんの不安」を毎回引き出せている
□ 状況を論点に分けて相手に見せている
□ 次の一歩(何を・どの順で)を具体的に示している
□ 価値を伝えた後に費用を説明している
□ 面談の流れが型(スクリプト)になっている

体系的に学びたい先生へ

受任率は才能ではなく、面談の「型」で決まります。相続特化事務所マスター講座では、私が実際に使ってきた初回面談の進め方・ヒアリングシート・受任トークといった現物とともに、相談を契約につなげる流れを体系立てて学べるようにしています。

よくある質問(FAQ)

営業が苦手でも受任率は上げられますか?

上げられます。

鍵は売り込みではなく「聞いて整理する」型です。型があれば、苦手でも安定して受任に近づけます。

価格を聞かれたらどう答えますか?

まず状況を整理し、進め方の価値を伝えてから費用を説明します。

順番を変えるだけで受け止め方が大きく変わります。

その場で決めてもらえません。

「次の一歩」が曖昧なことが多いです。

何を・いつまでに・どの順で進めるかを具体的に示すと、相手が動きやすくなります。

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この記事を書いた講師
税理士 中垣健

中垣健税理士事務所 所長

中垣 健 なかがき けん

株式会社未来経営 代表

愛知県岡崎市生まれ。明治大学商学部卒業後、税理士・行政書士として2008年に開業。中小企業の経営支援から税務全般、事業承継、相続・贈与対策まで幅広く対応してきた。正攻法で税務調査リスクを抑える相続税申告を強みとし、相談者一人ひとりに寄り添った支援に定評がある。現在は税理士向けに「相続特化事務所マスター講座」を開講し、実務と教育の両面で活動している。

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